渡り鳥の日記

2019年に定年退職して米国株をメインにした投資活動とFPのスキルを活かして、ライフプランニングと長期投資の魅力を伝えています!

日本に渦巻く不安の要因

•いまはどんな時代か

日本は高齢化と少子化に起因して、急激な人口減少が進もうとしています。 総務省が2021年11月30日に2020年国勢調査の確定値を発表した。2020年10月1日時点の外国人を除く日本人は1億2,339万8,962人で、これに国内居住の外国人が274万7,137人だった。2015年の前回調査から94万8,646人減少した。出生数の減少と高齢者の死亡者数の増加で人口減少に拍車がかかったことが主な要因です。 2008年に1億2,808万4,000人で人口のピークを迎えて以降、日本は確実に人口減少を続けています(外国人を含む総人口は2022年10月1日時点では1億2,494万7000人、2023年10月1日時点では1億2,435万2000人)。その一方で、大都市、とりわけ東京は2020年5月に人口が1,400万人を超えたように、東京への一極集中が続いています。 国家の財政も赤字が増え続けています。 人口構成で見ると、15~64歳の生産年齢人口と20~39歳の若年女性人口が減って、65歳以上の高齢人口が増えてきています。 このままではさらなる増税社会保障水準の切り下げを余儀なくされる可能性が高いでしょう。 
今の時代になんとも言えない虚無感、不安感を持つのは、昔のように集団の群れの中にいれば一生が保障されていた時代ではなく、企業も国家もその集団を支えきれないくらい余裕のない状況に置かれていることに対する反応です。
コロナ禍の中で、日本の弱点が見えてきました。 それは2000年当時に森総理大臣が就任時にE-ジャパン構想を表明し、それ以来20年間、日本はIT(情報技術)を普及させてきたつもりでしたが、全く社会の要求に対して通用しないレベルのものでした。 なぜなら、日本人自身が変化を恐れて社会構造をITに対応したものに変えられていなかったためです。

•経済停滞の要因と解決策

日本経済は、1990年代以降長期にわたる停滞を続けています。 このような事態が生じた原因は、第一に、冷戦終結と中国の工業化という大変化が生じたことで、製造業を中心的な産業とする日本経済に本質的な打撃を与えましたが、日本はこれに対応できませんでした。 第二に、金融とIT(情報技術)の面で、大きな変革が生じました。 ITは新しい産業革命とも言えるほどの大きな変化を経済活動にもたらしましたが、日本は対応できませんでした。 また、80年代以降進展した新しい金融技術も、アメリカやイギリスの経済活動を一変させましたが、これについても日本は否定的な態度を取り続けました。 第三に、これまで日本が行ってきたグローバリゼーションは、製造業の製品を輸出することです。 資本と人的資源に関して進展している新しい21世紀型グローバリゼーションに対応できていないことです。
  では、こうした事態に、日本はどう対処すべきか。 第一に必要とされるのは、古いものや現状維持に支援をしないことです。 その理由は、古いものが生き残っていては、新しいものが生まれる余地がないからです。 このコロナ禍が招いた経済危機において、「このままでは生き残れない」と認識することが大事で、さらに今後、人口減少が進む日本にとっては最後のチャンスになるかもしれません。 第二に必要なのは、21世紀型グローバリゼーションを実現することです。 つまり、日本を外に向かって開き、「閉じこもり」から脱却することです。 具体的には、資本、人的資源の両面から、日本を海外に開く必要があります。 これには社会構造の大きな変化を伴います。 第三に必要なのは、教育です。 これは専門分野の高等教育を意味します。 今後の世界において絶対に必要なのは、「中国の前を歩く」ことです。 中国と同じことをやっていては、低賃金で生産された低価格の製品にかなうはずがありません。 競合できたとしても、日本の所得水準は中国のそれにサヤ寄せされて低下することになります。 「中国の前を歩く」ためには、われわれ自身が能力を高める必要があります。 それを実現するのは教育です。 金融立国が将来に向かっての日本の進路であるという意見がありますが、人材がいなければ実現できないことは明らかです。
また、参考になる情報として、落合陽一さんが「日本進化論」の中で、日本と同じように人口に占める高齢者の割合が高く、北欧の高福祉国家らしく社会保障費の負担が大きいがGDPは2000年代以降も安定して伸び続けているデンマークに注目しています。 GDPが伸びている理由は産業構造の転換と行政の効率化だと言っています。 製造業が主体の日本と違って、デンマークでは主要産業を流通・小売業へと転換し始めていて、ゼロからものをつくる産業ではなく、既存の製品に価値を付与する産業へとシフトしています。 また、テクノロジーを活用した政府運営の効率化も進んでいて、例えば、自治体が公開したビッグデータを民間企業が活用するなど、官民一体となった取り組みが行われていたり、医療分野においては個人の通院履歴を集めたデータベースが完備される等、電子化が進んでいます。 デンマークは医療・福祉・金融・教育などのIT技術を駆使した連携が国家戦略よって推進されています。 日本も大いに見習うべきだと言っています。
出口治明さんは「自分の頭で考える日本の論点」の中で、日本が衰退してきている原因の一つとして不寛容な社会になっていることがあげられる。 尖った個性を排除して、同じ型や色に染めようとする動きが多すぎる。 人間を常識という枠でしか評価しないのが間違いだということは歴史上、繰り返し証明されている。 一方、世界は真逆で、ひとりひとりの個性が独創を生み、社会を成長させていると言って、同質化に警鐘を鳴らしています。 今の日本の閉塞感を打ち破る新しい発想はこういう同質化に染まらない尖った人たちからしか生まれないと言っています。

•これから日本に起こること

IMF(国際通貨基金)の「国家の債務残高ワーストランキング(2017年版)」によると、日本の債務比率は239.2%で財政危機が取り沙汰されたギリシャ(180.6%)よりも高い状況です。 日本は外貨資産を300兆円以上保有しているし、個人の現預金は1,900兆円程あるとは言っても、財務は明らかに不健全です。 さらに、日本のGDP成長率は2030年までに全く成長しない状態になると予測されています。 なぜなら、すでに人手不足は日本の大きな社会問題となっていますが、この状況はさらに悪化します。 2050年までに労働人口が3,100万人も減少するからです。
人口減少、高齢化、労働力不足という事実から、今後の日本が直面する問題は以下の通りです。
(1)企業収益の悪化や人口・労働力の減少による国の税収の大幅減少、(2)財政健全化のための大増税(2030年までに消費税20%前後)、(3)継続的な円安トレンド、物価のさらなる上昇、(4)介護費、社会保障費、医療費の負担増加(2050年には手取りが給与の4割になる可能性も)、(5)年金支給が78歳から、そして、支給額は現在の半分へ、(6)自治体の半分が消滅へ、(7)出生率が今の半分へ
 このまま行けば、日本も財政破綻によるハイパーインフレ(物価の急高騰)と円暴落(超円安)が起こる可能性は十分に考えられます。 しかも、2020年に発生したコロナ禍で、日本も他国と同様にコロナ対策費として、巨額の資金を企業や国民に給付金として支給していますが、これにより、財政破綻が早まるのではないかとさえ思っています。
ハイパーインフレと円の暴落が起こったときに、一番危険なのは日本円を預貯金で持っていることです。 円の価値が実質的に目減りしてしまいますので、個人の生活はますます苦しくなります。 過去に国家財政が破綻したり、財政破綻の危機に直面した国々では実際に通貨の価値が下落し、預金者の資産は大きく損なわれました。 そうなったときに、「預金以外に何か対策をしていればよかった」といっても手遅れです。
日本政府は財政破綻を回避するために、今後もインフレを目標としていくと思います。 なぜなら、例えばインフレで物価が2倍になれば、円の価値は下がり国の借金がそれだけ軽くなるという狙いがあるからです。

財政赤字について

2020年度の日本の国家予算(一般会計予算)は102兆6,580億円。(ちなみに、2021年度は106兆6,097億円で前年度比で+3.84%増、2022年度110兆3,000億円、2023年度114兆3,812億円)、使い道(歳出)の内訳は「社会保障費36兆円(34.9%)」がもっとも多く、「国債の利払い等23兆円(23%)」、「地方交付税交付金等16兆円(15%)」、残りが防衛費や教育予算、公共事業費といった政策経費で合わせて18兆円(17%)です。 一方、歳入は税収が2020年度63兆5,130億円、2022年度65兆2,350億円、2023年度69兆4,400億円。 歳入と歳出の差額を賄っているのが、公債費(借金)で、財政赤字と呼ばれているものです。 さらに、深刻なのが累積債務で、1995年以降は毎年、歳入に占める借金の割合が30%を超え続けています。 2018年度末の国の借金総額は約901兆円、これに地方の借金を加えれば約1,095兆円に達します。 借金が増加した要因は歳出面で見れば、高齢化に伴う社会保障費の増大であり、歳入面で見れば税収の伸び悩みです。 このまま累積債務が積み上がれば財政への信認が揺らぎ、国債の買い手がいなくなり、財政破綻を引き起こしま す。
一方、日本の財政状況はそれほど悪くないという見方もあります。 その理由は大きく、3つに分類できます。 第一は国債の9割近くが国内で買われているということ。 第二は政府は負債だけでなく、資産も持っています。 その額は約674兆円(2018年度末)に達しますが、そのうち約184兆円は道路や橋などの有形固定資産であり、金融資産は約490兆円。 ただし、金融資産の多くは「年金積立金の運用寄託金」や「地方公共団体等への貸付金」など取り 崩すことが困難な資産です。 そして、第三は日銀が国債を買い支えているというものです。 政府は財政赤字を埋めるために、毎年30数兆円程度の国債を新規発行していますが、日銀はそれを民間金融機関を通じて吸収するだけでなく、過去に発行された分も買い取っています。
今後景気が良くなって、資金需要が高まったり、通貨や財政に対する信認が失われたりすると長期金利が上昇(国債価格は下落)します。
長期金利が上がりすぎると、債務不履行(デフォルト)を宣言するか、その前に強烈なインフレを引き起こす可能性が高いです。 これを防ぐために、政府は2025年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を回復すると世界に公約しています。 日本の財政はもはや危険水域に突入しているという認識が必要で、一刻も早くプライマリーバランスを回復する必要があります。

公的年金について

公的年金保険は1階部分の基礎年金(国民年金)と職業に応じた上乗せ給付を行う2階部分の厚生年金を合わせてた2階建てで、人によってはその上に企業年金確定拠出年金のような私的年金を重ねて3階建てになっています。 2018年度の日本の公的年金保険の給付総額(厚生年金と国民年金)52.6兆円のうち、現役世代からの保険料収入で賄っているのは約73%(38.4%)。 約24%(12.7兆円)は国庫負担金で税金から支出しています。 それでも足りない分は年金積立金(保険料収入のうち給付に使われなかった分)の運用益から拠出しています。 GPIFが運用する年金積立金の2020年6月末の総額は約163兆円。
賦課方式の年金制度にとって最大のリスクは少子高齢化です。 そこで、2004年の年金制度改革で「マクロ経済スライド」が導入され、給付水準を自動的に調整する仕組みができました。 最新の2019年の検証では、年金の支給水準は今後30年にわたり引き下げられていきます。
これからは若い世代が減り高齢者が増えるから、公的年金保険は破綻するとよく言われますが、国と国民が存在する限り公的年金保険は破綻しないと断言できます。  ただ、将来の年金受給額が心配なら、経済成長を実現することとよい政府をつくること以外に将来の年金を担保する方法は理屈上あり得ないと出口治朗さんも「自分の頭で考える日本の論点」の中で言っています。

•日本人の給料がこれからも上がらない理由

労働組合の弱体化・・・日本はバブル崩壊によって1990年代以降、景気後退を余儀なくされましたが、人員カットで対応するのではなく雇用を維持しながら賃金で調整するという方法がとられました。 労働組合も解雇されるよりも給料を下げることに合意し、日本特有の労使関係ができあがりました。
●非正規雇用者の増加・・小泉政権時代に行われた「労働者派遣法の改正」によって、日本の雇用形態は大きな変革を迫られました。 企業は賃金の低い非正規雇用者を扱いやすくなりました。
少子高齢化の影響・・・少子高齢化によって経済を担う生産年齢人口(働き手)が減少していくことで経済が成長しないため、結果として個人の給料が増えません。
内部留保をため込んで賃金を上げない経営者・・バブル崩壊以前は社員こそ最大の資源と考え企業は賃上げに積極的でしたが、バブル崩壊後は雇用を確保するかわりに賃上げはしないという雰囲気に変わりました。 労働組合が弱体化したことで、企業は内部留保をため込んだ。 2019年度の企業の内部留保は475兆円で、貯めた内部留保で人口減少が予想される日本を飛び出して、海外進出をすれば新たなビジネスチャンスがあったかもしれませんが、そうした企業が少なかった。
規制緩和の遅れがもたらした賃金低迷・・・製品やサービス価格が上がらなかったことと、生産性が向上しなかったことで、従業員の賃金の上昇が押さえられてきました。

自慢のコレクション

はじめてブログを書きます。

私は若い頃から映画を観るのが好きで、特に洋画はいろんな洋画を観ました。 学生時代に高田馬場西友ストアの地下にパール座という確か500円くらいで観られる名画座があって、いろんな古い映画を観ましたね。 ここで「ミッドナイト・エクスプレス」という洋画を観ましたが、終わってからすごく衝撃を受けた記憶があります。 麻薬の不法所持でトルコ刑務所に投獄されたアメリカ人の青年が、看守に虐待されながらも最後には脱獄を成功させる内容ですが、自由への執着が伝わってきました。 2020年からはコロナ禍の中で、映画館に行くことも減りました。 その代わり、テレビで放映する洋画を観るのが楽しくなり、ブルーレイディスクに保存しているので、ロバート・デニーロクリント・イーストウッド主演の映画などたくさんの作品を収集できました。