渡り鳥の日記

2019年に定年退職して米国株をメインにした投資活動とFPのスキルを活かして、ライフプランニングと長期投資の魅力を伝えています!

ガンや生活習慣病の予防

京都大学名誉教授 和田 洋巳

炭水化物の摂取について

炭水化物は体内で糖(ブドウ糖)に変換された後、正常細胞のエネルギー源として使われる。一方で、ガン細胞もまたブドウ糖をエネルギー源としているため、必要量を超える量の炭水化物を摂取しないことが重要になってくる。加えて、血糖値を急激に上昇させるような摂取の仕方をしないことも留意が必要。

炭水化物を摂取する場合は白米の代わりに玄米、一般的な小麦粉を使用したパンの代わりに全粒粉パンを選ぶなど、グリセミックインデックス(食後血糖値の上昇度を示す指数)の低い食品を摂取するように心がける。

 

塩分摂取について

ガン細胞は塩分(ナトリウム)を取り込み、酸性化する。塩分の摂取を控えてガン細胞にナトリウムを与えないことが肝要だ。 健康な人なら厚生労働省が推奨している1日あたりの塩分摂取量は男性で7.5グラム、女性で6.5グラム未満となっている。

 

たんぱく質の摂取について

タンパク質も人が生きていくためには必要不可欠な栄養素だが、体のアルカリ化という観点から言えば牛肉や豚肉などの動物性タンパク源からよりも大豆、豆腐、納豆などの植物性タンパク源から摂取することが基本である。 また、動物性タンパク源から摂取する場合はイワシ、サンマ、サバ、サケなどの青魚からの摂取が理想的。

 

野菜や果物の摂取について

炭水化物や塩分やタンパク質の摂取を頑張って控えめにしたとしても体内環境はがん細胞が好む酸性に傾く。酸性に傾いた体内環境を中性に戻し、さらにアルカリ性にまで戻すためには、唯一のアルカリ化食品の野菜や果物を多く摂取するのが最も有効。 野菜の推奨摂取量は一日あたり400グラム程度で、生のまま丸ごと食べるのが良い。

また、野菜や果物にはフィトケミカルが含まれている。フィトケミカルはその代表格にあたるポリフェノールにはがん発生の原因になる活性酸素を体内から除去、がん発生の原因になる悪玉コレステロールを減らす働きもある。

 

代謝の速いビタミン類は3食毎に補給する

中でも、緑黄色野菜や果物はビタミンの宝庫。

例えば、脂溶性ビタミンに関してはビタミンAはニンジン、カボチャ、モロヘイヤ、小松菜、トマトに多く含まれている。ビタミンEはカボチャ、モロヘイヤ、アーモンド、落花生に多く含まれている。水溶性ビタミンのビタミンCはパプリカ、菜の花、ブロッコリー、キウイ、イチゴ、オレンジに多く含まれている。 このビタミンACEは相互作用があり、併せて摂取することで効果はさらに増す。

 

キノコ類をたくさん食べるには

ハナビラタケ、干しシイタケ、シメジ、キクラゲ、エノキにはガン細胞を攻撃、殺傷する2次免疫(獲得免疫)を高めるβグルカンが大量に含まれている。

 

乳製品について

牛乳、バター、チーズなどの乳製品には、ガン細胞の活動活性を上げるIGF-1(インスリン様成長因子)が多く含まれている。とりわけチーズの酸性化力は強烈。ただし、ヨーグルトなどには腸内フローラを整える効果がある。そして腸内細菌が乱れるとガンにかかりやすくなることが知られているため、メリットとデメリットを考慮したほうが良い。

 

牛肉、豚肉、ソーセージが持つ2つの発ガン性物質

牛肉や豚肉、ソーセージなどの加工肉は尿ペーハー、すなわちガン細胞周辺の体内環境を著しく酸性に傾ける。動物性タンパク質を豊富に含んだ牛肉や豚肉や加工肉などを焼いて調理する過程で2つの発ガン性が生成されることがわかってきている。1つはHCA(ヘテロサイクリックアミン)、もう1つはPAH(多環芳香族炭水化物)と呼ばれる物質。HCAは肉類を焼いた際にできる黒いコゲに含まれている。PAHは炭などに落ちた肉類の油から立ち上がる煙に含まれている。どちらも有害物質。